建売住宅は会社によってグレードに差がある
今はまだ、こんな感じです。
設備や性能に多様性があるので、建売でも我が家の理想に近いものに出会えることが多い。
しかし、あと数年するとこんな感じになる…というのがトメ先生の予測です。
ハウスメーカーを中心とした高級設備や贅沢設備が揃ったハイグレード仕様の建売住宅。
そして、際立った特徴はないけれど購入しやすい価格の一般グレードの建売住宅の二極化が訪れそうな気がします。
なぜなら、ミドルグレードの建売住宅の販売数は減少していくだろうと考えるからです。
販売する事業者にとって、ハイグレードな建売住宅となると価格が高くなりすぎて売りにくい。
一般グレードの建売住宅を販売するにしても、飯田グループホールディングスのような薄利多売では事業が成り立たない。
そこで、ハイグレードと一般グレードの間、どちらにも属さないグレードで建売住宅を販売しようとするミドルグレードの建売住宅が存在します。
このミドルグレードの建売住宅が、近い将来なくなるのではないかとトメ先生は考えるのです。
「どうしてそんなことになるのか?」というのが今回のトメ先生の解説です。
ハウスメーカーでは高すぎる…。
でも、飯田グループの建売住宅では必要最低限だし…。
だからその中間を狙っているのだけれど…。
みなさんが勉強になったり…焦らせたり…そういう内容の解説です。
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なぜ、ミドルグレードの建売住宅が存在するのか
まるごしでラスボスに挑んでいるようなもの
みなさんは日本で一番建売住宅を販売する会社をご存じですか?
それは1年で2万棟以上の建売住宅を販売する飯田グループホールディングスです。
トメ先生の勤務先が年間500棟前後の販売です。
2万棟ってのはとにかく建売業界ではとんでもない数なのです。
今や日本国内の建売住宅のスタンダードが飯田グループの建売住宅だといっても過言ではありません。
たとえば、まちなかの不動産屋さんがポッと出の土地で建売住宅を販売してみる。
まず、飯田グループの建売住宅と競合することになります。
まちなかの不動産屋さんが社運をかけての数区画の分譲地は、日本全国で3万区画越えの在庫をもつ飯田グループとはり合ってみても、まず価格の面で歯が立ちません。
どういうことかというと、まちなかの不動産屋さんが3区画の販売で1500万円の利益を出さなければならないとします。
すると1区画あたり500万円の利益を出す必要があります。
極論になりますが、飯田グループが2万棟の販売で1500万円の利益を出すとなると、1区画当たり750円の利益を出せばいい。
750円ですよ!
トメ先生…間違いだと思って何度も計算機をたたいていますが。
15,000,000÷20,000=750
合ってます。
利益という側面で見てみても、街中の不動産屋さんが飯田グループと競合するのは、まるごしでラスボスに挑むようなものなのです。
しっかり作戦を練らなければ建売住宅の販売は成り立たない
そこで、まちなかの不動産屋さんは考えます。
「飯田グループと同じような商品を売っていてもダメだ」
飯田グループの商品と同じ土俵にのることを避けるために、どこかで差別化をはかる必要があるという作戦に行きつきます。
キッチン・浴室・トイレなどのグレードを上げる
ドア・サッシ・フロアなどのグレードを上げる
IoTなどの最新設備を取り入れてみる
いろんなことを試しますが、中途半端なグレードアップではなかなかうまくいかないのが現実です。
あれもこれも装備してってわけにもいかない
中途半端なグレードアップでうまくいかないなら、いっそのこと極端なグレードアップはどうなん?
キッチンも浴室も、ドアもサッシもすべて最高級のグレードのものを装備する。
そう、パーフェクトグレードの建売住宅にするのです。
まぁ、そうなると価格も上がるわけでして。
そこまでの価格に手が届くお客様なら注文住宅を検討しますよね。
原価のアップも痛い…
経営面で考えてみたら、高級な設備をつけるってことは、原価がアップするということです。
売れるかどうかわからない建売住宅への初期投資が大きくなるわけです。
万一、売れ残ってしまったら…ってことを考えますよね。
大手の企業と違って、まちなかの不動産屋さんでは社運をかけたプロジェクトですからね。
あれもこれも…っていう作戦も、なかなか手が出しにくいのです。
大きな初期投資で失敗するよりは、適度な投資で
建売住宅を販売するのに飯田グループと同じ土俵に上がってしまうと大ヤケドをする可能性が高い。
だから、差別化をはかって飯田グループとの違いを売りにすることを考えます。
しかし、差別化をはかるためにとはいえ、装備や性能にお金を掛けすぎるのもアブナイ。
そこで生まれるのがミドルグレードの建売住宅というわけです。
営業とお客様のせいで建売住宅がなくなります
ミドルグレードの建売住宅を企画する理由は、飯田グループと差別化をはかるためでした。
同じ土俵での勝負を避けるための作戦です。
一般グレードの建売住宅ではなく、ミドルグレードにすることで販売価格だって数百万円高くなります。
しかし、ここで生まれる数百万円の価格差の意味合いというか、理解度に販売側と購入側でギャップが生じます。
現実には販売する会社の中でも、経営陣と営業さんとの間にギャップが生じています。
何度もお伝えしますが、日本の建売住宅のスタンダードは飯田グループのスタイル。
それは経営手法もそうですし、設備や仕様もそう、販売手法もそうです。
この土地に、この建物で、この価格。
「さぁどうですか?買いますか?買いませんか?」ってのが現在の建売住宅の販売スタイルになりつつあります。
「当社の商品は、●●社の▲▲▲というシリーズのキッチンを装備しています。だから…」とか、「いかがです、このフロア材。従来のフロア材ではなく■■社の×××タイプを採用したため…」なんて説明は、今の営業さんはあまりしないと思います。
なぜなら説明がめんどくさいから。
それと、いくら説明してもお客様には納得していただけないからです。
だから「今、目の前にあるのが商品です。買うか?買わないか?さぁ決めてください」というスタイルになるのです。
■■■もう他人の評価はきにしない!■■■
ダイバーシティな世の中はファッションだって音楽だって趣味だって、あらゆるものが個人の価値観を重視します。
住宅だって一緒です!
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ついていると使わなくなる装備の第1位は食洗機。
ついていないとついていてほしかった装備の第1位も食洗機。
「使ってみたい」それだけだとムダな装備になってしまうモノって結構あります。
お客様側の問題
この問題をお客様側の事情で考えてみましょう。
お客様はあっちの分譲地、こっちの分譲地で建売住宅を見学します。
いくつか建売住宅を見学すると、必ず価格の安い一般グレードの建売住宅に出くわします。
そうです、飯田グループの建売住宅です。
はっきりいって、建売住宅を検討するお客様にとってはキッチンの設備が…とか、フロア材のシリーズが…なんてのはどうでもいいことです。
建売住宅のグレードや性能より価格が重要…月々の住宅ローンの返済額が重要。
これが現実だと思います。
自動車で例えてみよう
するとどういうことが起きるかというと、自動車でいえば軽自動車を買いに行ったけれど、SUVを見せてもらったら気に入ってしまうような状態になるのです。
SUVを軽自動車の価格にしてもらって購入する。
自動車の販売でこれは現実的ではありませんよね。
販売する営業さんも、購入するお客様も、SUVと軽自動車を同じような価格で販売することはナンセンスだとわかっています。
仮に「SUVだって軽自動車だって、どちらも自動車じゃん!同じ価格にならないの?」なんて人がいたら…。
人間性を疑われてしまいます。
しかし建売住宅の場合は、SUVを軽自動車の価格まで値引きをして販売するということが起きているのです。
【建売住宅の価格設定が合理化なことに気づける解説です】
注文住宅で土地から探すと、造成費用や地盤調査費用などの土地にかかる費用を負担する必要があります。
建売住宅も同じ費用が掛かっていて、売れなければ売主の負担になるわけです。
ムダにお金のかかる土地は仕入れられない建売住宅は価格設定が合理的であることに気づけました。
こうなると販売する側はやっていられません
お客様にとって建売住宅ってのは、ミドルグレードでも一般グレードでもどのグレードであっても結局は家なのです。
軽自動車もSUVも結局は自動車…みたいなことになっているのです。
同じ家なのにあっちの建売住宅とこっちの建売住宅で、数百万円の価格差があることをみなさんは理解してくれません。
営業さんも数百万円の価格差を説明するなんて、めんどくさいと思っています。
数時間かけて説明したところで、購入してもらえないことのほうが多いわけですからね。
販売している会社側も、これではいつまでたっても建売住宅が売れないわけで、結局は値引きをしてみなさんの希望の価格で販売することになります。
「こんなことなら、グレードで差別化するなんてバカバカしい…。」
ミドルグレードの建売住宅なんて取り扱わなくなるのです。
あと数年するとミドルグレードはなくなるかも
差別化をしたところで、結局は一般グレードの建売住宅と同じ価格で売れていくならば、差別化なんてせずにウチの会社も一般グレードの建売住宅を販売することにしよう。
実はトメ先生の勤務先でも、このような方針に変わりつつあります。
トメ先生は勤務先で取り扱う商品と、競合する事業者の商品との差別化を説明するための資料を作ったりしています。
でも、営業さんは競合会社との数百万円の価格の差についてなんて、丁寧に説明しようともしてくれません。
もちろん、トメ先生が用意した資料が日の目を見ることもありません。
おまけに、お客様はグレードの違いなんて理解してくれません。
あと数年…長くても十数年すると。
ハウスメーカーが販売するハイグレードな建売住宅と、多くの建売事業者がミドルグレードをあきらめた末にシフトした、一般グレードの建売住宅の二極化の時代が訪れるような気がします。
我が家は建売だけれど「一般グレードの建売住宅とは一味違う」ってのを味わいたい方は早いほうがいいかもしれません。
以下の事業者様のホームページには建売住宅の情報ページにおしゃれなミドルグレードの物件が掲載されています。
トメ先生が掲載を確認済みです。
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希望条件で「ミドルグレード」と伝えるのを忘れないでくださいね。