営業さんにこの質問だけすれば判断できます
「建売住宅や中古住宅を見学する時のチェックポイントが知りたい。」
「大きな買い物だから失敗はしたくない…だから注意点を知りたい。」
購入する側のみなさんは不動産の素人。
それなら、まずはこんな質問を営業さんにしてみたらいかがでしょう。
「この物件のネガティブポイントはどこですか?」
「この物件で自信がないポイントはありますか?」
「この物件のおススメではないポイントは?」
建売住宅の見学時にこの質問をすることで以下の項目におよその判断がつけられます。
- この不動産業者からマイホームを購入して大丈夫なの?
- 担当してくれている営業さんとの相性はいいの?悪いの?
どちらも人生で一番高い買い物であるマイホームの購入を判断するのに重要な指標です。
なぜ、この質問なのか…
なぜなら、これらの質問に答えてくれるということは、お客様のことを考えてくれている営業さんである可能性が高いからです。
住宅などの不動産を取り扱う営業さんのお給料は、契約がとれている状況と、とれていない状況では大きな差があります。
自分の営業成績のことしか考えていない営業さんや、自分のお給料が第一優先の営業さんのことを想像してみてください。
そのような営業さんの場合、素人のお客様では気づくことが難しいようなネガティブ要素はわざわざ説明しないこともありそうだと思いませんか。
「営業さんの生活」と「お客様のため」のウェイトは、0:100くらいで頑張ってもらいたいものです。
しかし、営業さんもボランティア活動をしているわけではありません。
0:100はムリだとしても、お客様の契約の向こう側に営業さんの生活があるわけですから「お客様のため」のウェイトが低くていいわけではないと思います。
そこで、今日のトメ先生は「お客様のため」を考えることが営業さん自身のためになるという点を解説します。
この記事を読んだ後には、住宅探し中のみなさんは建売住宅や中古住宅を検討する時に気をつけるべき最初の一歩歩が理解できます。
また、いまいち成績が上向かない営業さんには、風向きをかえるきっかけになるかもしれない解説です。
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ずっと売りに出されるのを待っていた分譲地。
ようやく情報がホームページに掲載される。
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隣の家がゴミ屋敷であることを黙っていたら…やっぱり
4年前にトメ先生が勤務先で新卒採用の仕事をしていた時に採用した営業くん。
お酒とマッチングアプリとパチンコが趣味で、採用の責任者としてトメ先生の心配の種が尽きない営業くんも入社して4年目。
営業所には後輩の新卒社員が入社してきて、ようやく営業としての成長の片鱗が見え隠れするくらいになってきました。
そんな営業くんから電話がかかってきました。
「やっちまいました…このままじゃカンカンに怒られる…事務所に帰れないっす」
まぁ、いつもこの調子なので、あまり心配もしていません。
話を聞いてみると…。
先日、あるご夫婦を建売住宅がある分譲地にご案内したそうです。
立地に問題なし…。
建物の外観もオシャレ…。
間取りも動線が使いやすい…。
価格が少し高いというので上司に相談。
相談の結果、会社からも「値引きしてOK」の返事が出た。
ご夫婦はこのまま契約でもいいのだけれど「一応、親に報告しておきたい」とのことで、さっきご両親とご夫婦を再度ご案内したそうなんです。
そしたら、ご両親が分譲地のお隣にあるお宅の庭が散らかっていることに気づいたそうです。
さらに、よーく目を凝らしてみると窓から室内の様子もうかがえるようで、お隣がゴミ屋敷であることに気づいたそうです。
その結果、この物件を気に入っていたご夫婦も気持ちが萎えてしまったようで、契約の話が立ち消えてしまったというのです。
営業くんに聞いてみました「ゴミ屋敷の存在しらなかったの?」
「知ってました…」
し…知ってたんかい!
知ってて黙ってたんかい!
「知ってて黙ってました…あぁ~、もうオレなんてダメダメですよね…あぁぁぁぁ、どうしよ~」
要するに、ご夫婦のお気持ちがトントン拍子で契約の方向に進むので、「うぉぉぉぉ!契約じゃぁ~!」と契約欲しさで理性が崩壊してしまったそうです。
「契約の障害となるネガティブな情報は黙っておこう」
「ゴミ屋敷のことがわかると、契約してくれなくなってしまうだろうから黙っておこう」
結局のところ、この自分本位な考え方ですべてが水の泡になったのです。
【問い合わせの前に!】
SUUMOやHOME’Sで気になる物件を見つけたから不動産屋さんに電話…。
ちょっと待って!しっかり掲載情報を確認しましたか?
掲載された情報をどんな視点で見るといいのか、トメ先生が解説しています。
【探しはじめの方におススメの解説】
家の購入を検討しているから、建物に意識がいきがちですが、
建売住宅や中古住宅を検討している場合、まず土地なのです。
読み終わると「そりゃそうだ」と納得できる解説です。
「マイナスなところから説明してる」っていつも話してるじゃん
トメ先生は、この営業くんと、この営業の上司にあたる店長と3人でよくお酒を飲みます。
そして、お酒を飲んで、3人して酔っ払いになるまではサラリーマンっぽく仕事の話なんかもするんですよ。
そのサラリーマントークでよく話題にあがるのが、トメ先生の勤務先は建売住宅が主力の会社なので、万人ウケする商品を作らなければならないって話。
万人ウケする商品となると、決して商品力が低いわけではないけれど際立った特徴がないというのが悩みです。
だから、際立った特徴がある競合が出てくると太刀打ちできないことがある。
というのが、店長の持論です。
トメ先生も同感です。
そこで、店長はお客様に商品を案内する時に…。
「ウチの建物、長期優良住宅の認定受けてないですけれどいいですか?」
「ウチの建物、設計性能評価も建設性能評価も取得してないけれどいいですか?」
「この分譲地の近くのあの会社の商品より●百万円高いですけれどいいですか?」
このように、お客様が気にする点というか、店長自身が自信を持てないポイントを、まずはお伝えするそうです。
そして「それでもいいですよ」というお客様は商談を先に進める。
3人して酔っぱらうまでは、まじめにそういう内容の話をしているんです。
トメ先生もあらためて勉強になって、なかなか有意義な時間なのです。
そこで、問題の営業くんにトメ先生が確認しました。
「お酒飲みに行った時に、いつも店長がああいう話してんじゃん…」
「あんなにわかりやすく、いい話をしてくれてんのに、なんで活かせないかなぁ。」
すると営業くん…。
「後半のエロトークばっか頭に残ってんですよねぇ~」
あきれたトメ先生。
「はい、電話切ります…終了です」
「まって…ウソ!嘘です!覚えてます…そうなんですよね~、いつも聞いてんのに…」
「本番になると出てこないんだ?」
「そうなんです。っていうか、今回は契約への欲望が…」
ネガティブを優先させることで信頼を確立
これ以上はトメ先生の勤務先の営業スキルの恥部をさらすだけなので、話題を本題に戻します。
お伝えしたように、気になる物件のネガティブ要素を、頼んでもいないのに伝えてくれる店長。
これは、店長にしてみたら契約のセットまでしたところ…。
「やっぱり長期優良が…」とか
「やっぱり性能評価が…」とかなって契約をやめたいとかなると。
これまでの時間がムダな時間になるわけです。
だから「あらかじめ契約に進む気持ちの障害になりそうなことは先に伝えておこう」というのが店長のようなデキる営業の考え方なのです。
「長期優良の認定を受けていない」
「性能評価を取得していない」
こういった情報を、後からお客様が知ること自体がお客様のためにならない。
もうお分かりですよね?
ひるがえって言えば、お客様のためを考えることが契約につながる。
すなわち、お客様のために考えることが営業自身のためになるわけです。
この営業で大丈夫か?の判断基準
この物件のよくない点は?
この物件のネガティブ要素は?
この物件で自信がないことは?
この物件でおススメできないことは?
この物件で伝えたくないことは?
これらの質問に答えてくれる営業さんだったらわかること。
この会社なら購入しても安心です。
デメリットやネガティブ要素の選定基準が、みなさんの判断基準と合っている場合。
その営業さんは、みなさんの話を聞いてくれている営業さんです。
そうです、みなさんとの相性は悪くない営業さんだということです。
人生で一番高額な買い物です、ご自身でも探してみましょう
ここまで、ネガティブ要素を伝えない営業さんのことをお伝えしてきました。
でも、これから見学して、購入を検討して、住宅ローンを返済するのは営業さんではなくてみなさんです。
そもそも、ご自身で住む家です。
ご自身の足で、目で、肌でネガティブ要素を探す努力もするべきです。
- 陽あたりがほしいなら、夕方や真冬に陽あたりを調べてみる
- 車庫入れに自信がないなら、駐車スペースに車を入れやすいか確認してみる
- ゲリラ豪雨が発生しやすい地域なら、敷地に水がたまらないか確認してみる
- 窓がたくさんあってうれしいけれど、お隣の家の窓と向かい合っていないか確認してみる
- 収納がたくさんついているけれど、我が家の荷物の量がおさまるかシミュレーションしてみる
- おしゃれなアイランドキッチンだけれど、油はねで床が汚れないか確認してみる
- キレイな土地の形状をしているけれど、境界にきちんと杭が存在するか確認してみる
- 視界には入らないけれど、近所に嫌悪施設(お墓・葬儀場など)がないか確認してみる
などなど、物件のまわりをぐるりと歩いてみたら確認できることって結構あります。
営業さんより先にネガティブ要素に気づいておいて「この物件のネガティブ要素は?」なんてカマをかけてみてもいいかもしれません。
特に建売住宅や、中古住宅の担当になる営業さんとのお付き合いの期間なんて、短くて2ヶ月、長くて半年くらいです。
言葉は悪いですけれど営業さんに売り逃げされないようにしてください。
後からネガティブ要素に気づいて「契約は白紙に戻してくれ」「損害賠償を払え」なんて訴えても、まず期待通りの結果にはなりませんからね。
【こちらもあわせて読んでおきたい解説です】
契約したら解約できるの?
答えはできます!でも条件がありますよ。
複雑な契約内容は契約前に理解しておきましょう。
もう一度言います。
この家を買おうか、見送ろうか迷うのは営業さんではなくて皆さんです。
この家に住んで生活するのも、営業さんではなくて皆さんです。
この家の住宅ローンを返済するのも、営業さんではなくて皆さんです。
そして、不動産の契約は「オトナとオトナの契約」です。
後悔しないマイホーム探しは物件に対して「自分ごと」で考えることが大切です。
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住宅は購入してからしばらくは金食い虫です。
繰り上げ返済…なんて…よほどストイックに生活しなければ実行にはいたりません。