建売住宅と値引きと決算のはなし

決算月だからといって値引きしてもらいやすくなるわけではなさそう

ついこのあいだお正月でお酒を飲みまくっていたのに、気づけば2月も終わりが近づている。
年齢を重ねると時間が経つのが本当に早い。
私の時間に1月の15日とか22日とかあったか?なかったような気がする。
年号が令和に変わったのなんて2週間前くらいの気がするし…。
と、私の時間間隔を語りだしてもみなさんにはまったく役に立たないので本題に入ろう。

人生で一番高額な買い物のマイホーム、借入期間35年などという経験したことのないローンを組んでの購入。
できれば少しでも安く買いたいと誰もが思うもの。
年度末になると家電量販店や自動車メーカーなどで「決算大セール」とか開催して、いつもよりお得に商品が買える期間がある。
このセール期間を狙って、ほしい商品をお買い得価格で手にする方もいるだろう。

そこで住宅。
なかでも完成している建売住宅や中古住宅そしてマンションなどの物件について。
住宅会社の年度末近くには値引きしてもらいやすくなるのか解説してみる。

名古屋・尾張・三河の分譲住宅・不動産会社「玉善」

結論からいうと、住宅の場合は年度末だからと言って必ずしも値引きしてもらえるといものではなさそうだ。
いや、もう少し丁寧にいうと値引きに応じてもらいやすい事業者と値引きに応じにくい事業者がありそう。

土地付建物は、契約して商品を引渡し、代金を回収してはじめて事業者の売り上げとなり利益が生じる。
建売、中古のいずれにしても契約から引渡しまでにかかる期間は、すべてがスムーズにいっても最短で1ヶ月くらい。

だから、決算月に値引きに応じて契約数を重ねても、売り上げが生じるのは来月。
そう、決算後となり翌月の売り上げとなるわけだ。
そのため、決算までに売り上げを確保するためには、最低でも決算前に1ヶ月間は時間が必要なわけ。

このように考えると、決算があるから値引きに応じやすくなる時期というのは、決算月の2~3か月前ということになるのではないだろうか。

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決算で値引きしてくれそうなのはこんな事業者

決算に合わせて値引きに応じてくれやすい時期は決算月の2~3か月前。
ということは、3月決算の事業者なら前年の12月から1月、4月決算の事業者なら1月から2月となる。

多くの事業者は1年を4つにわけた3か月ごとに売り上げのシミュレーションをしている。
値引きに応じやすくなるか否かの判断は、第3四半期の終了時点の業績がポイントになる。

第3四半期というのは1年を4分割した場合の、6か月目から9か月目までの期間のこと。
3月決算の事業者なら10月から12月の3ヶ月間、4月決算の事業者ならば11月から1月の3ヶ月間を指す。

第3四半期が終了したあたりで今年度の業績が見えてくる。
「このままだと、予算達成は難しいぞ…」と判断すれば、年度内の売り上げを確保するため、値引きをしてでも契約をしたいとなるわけだ。

最後の3ヶ月に追い込みをかけなければならない事業者は値引きに応じやすいような気がする。

下図に国内で有数の建売住宅を販売する事業者の決算月をまとめてみたので確認してみてほしい。
情報はすべてWikipediaに掲載されていたものなので、ここに掲載されていない事業者の決算月を知りたい場合は「事業者名 決算月」でWEB検索すれば調べることができるはず。

値引き大作戦は対象となる事業者の決算月を調べることからスタート

決算でも値引き応じくいのはこんな事業者

第3四半期の業績が思わしくない事業者もいれば、反面「今期はなんとか、予算も達成できそう…」という事業者もいる。
こういう事業者は、最後の3か月間の契約は引渡しをできるだけ先送りして、来期の売り上げにシフトしようという余裕がみられる。

また、第3四半期終了時点の業績が思わしくなかった事業でも、お客様からの問い合わせを増やさなくてはならないということで、販売中の物件価格を一斉に見直すこともある。

こういった事業者の場合は、販売価格を値下げしたうえに、さらに値引きに応じてもらえればいいが、値下げとなったことで購入を検討するライバルも出現する可能性があるので、ここは駆け引きが必要になりそう。

ということで、業績が良かった事業者は値引きに応じにくくなる気がする。


値引きに応じてくれそうな事業者と応じにくそうな事業者の見分け方

ここまで読んでくれた方にはご褒美でこんな情報を提供。
ズバリ!値引きに応じてくれそうな事業者は引渡し予定日を決算月の月末までにしたがりがち。
事業者が言ってくる引渡し予定日である程度の予測がつけられるのだ。

でも、契約の目途がつかなければ引渡し日の話になんてならないのではないか?
そりゃそうだ、でも我々購入する側にとっては引渡し日が重要なのではなくて値引きに応じてくれるのかどうかが重要。
だったらこんな案はどうだろう。

営業さんとの商談時や建物の見学時に質問するのだ。

客:「この建物は契約したら引渡しはいつ頃になりますか?」
営:「3月中には引渡しになります」

ここでリトマス試験紙がわりのセリフ。
これを忘れちゃダメ!

客:「ウチは4月とか5月の上旬でいいんですけど…

と先延ばしするセリフをほのめかす。

決算までに売上が必要な事業者、そう、決算を理由に値引きに応じてくれそうな事業者の場合、なんとか3月中の引渡しをしたいと言ってくることが多い。
営業さんによっては「どうしても決算までに引渡しを受けてほしくて…」と自ら腹の内をさらす営業さんもいる。
こういった事業者なら決算を理由に値引きに応じてくれそうな可能性の高い事業者といえる。

こちらの先延ばしをほのめかすセリフに対して、反応が薄い場合は会社から「なんとしても決算までに!」という至上命令を受けていない可能性がある。
値引きに応じる可能性がまったくないわけではないが、お尻に火が付いた状態の時ほど値引きは期待できなそう。

いつも言うけれど値引きの理由を具体的に持つこと

ここまで、決算が近い事業者は値引きに応じてくれるのかどうか解説してきた。
最後に、以前にも書いた内容の復習になるが値引きをお願いする時の心構えをお伝えする。

値引きをお願いする時には値引きの理由を具体的に持つこと。
理由が抽象的な場合、営業さんは山ほど切り返しトークを持っている。

以前お伝えした値引き対策はこちら

建売住宅を値引きしてもらうための3つの対策

そして値引きのリクエストを受け入れてもらえたら契約となることを忘れてはいけない。
営業さんは、そこまでの覚悟で会社や上司から値引きの承諾をとってくる。
きっと承諾をもらうまでに上司が不機嫌になったり、会社から嫌味を言われたりしているかもしれない。
上司も会社も結果が欲しいくせして、最後の条件を詰める段階になると大人げない対応をする。

これ以上書くと記事が終わらないので話をもとにもどそう。
とにかく値引きが通ったら契約する覚悟。
人生で一番高額な買い物は値引きをお願いする時の覚悟も大きい。

さきほどの一覧図でも触れたとおり、決算月が近づいて、今まさに値引きを受けてくれそうなタイミングの事業者もある。
そんなときに使えそうなのが不動産情報サイト。
私も勤務先で業界動向の資料などをまとめるときにはこういうサイトを活用する。

この中で気になる事業者があればホームページを閲覧させてもらって資料に奥行きをつくることが多い
みなさんも情報を整理しやすそうなサイトのリンクをまとめてみたので活用してみてはいかがだろうか。

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