報道される不動産価格って…
不動産価格の上昇が続いています。
マイホームの購入を検討中のみなさんにとっても無関係ではない問題ですよね。
たしかに不動産は高くなっています。
でも、不動産屋さんに25年も勤務しているトメ先生が思うのは「冷静になりましょう」ってことです。
たまに、ニュースやワイドショーで取り上げられる不動産価格高騰の話題。
あそこで、取り上げられる不動産価格ってのは、居住用であろうが投資用であろうが、個人が購入であろうが法人が購入であろうが、なんでもかんでもひっくるめた価格なのではないかとトメ先生は思うのです。
- 不動産の価格が上がっているから我が家にマイホームはムリなんじゃないか
- これ以上高くなる前にマイホームを購入したほうがいいのではないか
なんてお考えの方こそ「冷静になりましょう」ってのが今回の解説です。
不動産の価格は高くなっているけれど、世の中の上っ面の情報に煽られないことが重要です。
よく考えてみてください、建売住宅を販売する不動産屋さんが、高すぎて購入する人がいない価格の商品をわざわざ販売することはありませんからね。
このような状況では、冷静でいられる方がいい買い物をできる方です。
トメ先生の解説を読んだら、建売住宅の価格の合理性に妙に納得できると思います。
【過剰な報道に煽られる前に…】
マイホーム探しの第一歩は情報収集からです。
国土交通省・レインズ・ポータルサイトから価格を調べる方法を解説
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大きすぎず…小さすぎない…。
微妙な規模の事業者は、企業としての体力がソコソコあるわけで。
だからこそ、みなさんの希望も通りやすいのです。
庶民の感覚とはズレた取引きも含まれる平均取引価格
新築マンション1億円オーバー
東京23区内では新築マンションの平均価格が1億円を超えたそうです。
そのせいもあって、東京都内では中古マンションの取引数が新築マンションを上回る状況が続いています。
その中古マンションでさえ、築年数25年越えの物件で平均価格は6000万円台だとか。
でも、ここまで読んでくださっているみなさんは「冷静になりましょう」ね。
ピンもキリもごちゃ混ぜ
平均価格が1億円ってことは1億円を超えるモノのあるし、1億円以下のモノもあるってことです。
そもそも、普通のサラリーマンが1億円のマンションの購入を検討するでしょうか。
そうです、こういう物件は一般の方が生活を送るためのマンションの売買ではないのです。
1億円で購入した物件を、投資家に1億5千万円で転売したり、1億円で購入した物件を、家賃50万円とかで賃貸にしたりするのです。
不動産の取引価格の情報には、こういった庶民の感覚とはズレた取引も含まれているとトメ先生は思うのです。
オリンピックの選手村は4分の1以上を法人が購入
東京オリンピックで選手村として利用された施設。
ファミリー向けのマンションに改修して販売したのをご存じですか?
このマンションがたくさん建っている元選手村を晴海フラッグといいます。
晴海フラッグを分譲してみたら…
都心部とか23区とか晴海なんてワードは、地方で生活するトメ先生の生活には無関係なのですが、この晴海フラッグ…2024年5月下旬にNHKが報じたところによると、驚きの実態が明らかになったのです。
NHKが分譲後の晴海フラッグの登記簿で1000戸以上の部屋の所有者を確認したところ、全体の4分の1以上の部屋は法人が購入したものであることがわかったそうです。
一方で、残りの4分の3は法人ではなく個人所有となるわけですが、これも法人の社長や役員が個人名義で所有したりしているようです。
おそらく、これらの個人所有といわれる部屋も投資や転売目的での購入であることは想像に難しくありません。
結局のところ、世界的な一大スポーツイベントで使われた選手村でさえ、庶民のための還元ではなく、天上人しか購入できない代物となってしまう。
これが大都市の不動産の実態です。
メディアはこの世の終わりのように騒ぐ
台風がそれてしまい空回りの現場リポート
台風の進路上に都心部が入っていたのに、台風がそれてしまい雨も小雨程度で落ち着いている…。
それなのにヘルメットをかぶってアウトドアメーカーのレインウェアに身を包み。
たいして風も吹いていないのに、身体を斜めにして風に耐えている様をつくり。
雨だって小雨なのに目が開けられない雰囲気をつくって新宿駅前から中継。
冬に都心部で雪の予報…
ところが対して積もることもなく、歩道にもほとんど雪がなく普通に歩ける。
それでも、ガードレールや案内板にうっすら積もった雪を手で集めて、空から飛んでもないモノが降ってきたような騒ぎの新宿駅前からの中継。
テレビは見られてなんぼ、ラジオは聴かれてなんぼのコンテンツなので、大袈裟に報道しがちですよね。
今朝も、昨日の雷雨を取り上げていました
「自動車のワイパーが追いつかないほどの豪雨に前方の視界はなく…」
よくみると、ワイパーのスピードを間隔長めにして運転している映像。
「そりゃ、ワイパーのスピード追いつかないわな…。」ってトメ先生は思いました。
不動産価格の報道も同様です。
「今後、経験したようなこともない不動産価格の高騰で、マイホーム購入なんて誰もできなくなる世の中になりますよ、早く購入しないと大変なことになりますよ」
そういう雰囲気の発信をしたほうが視聴者はチャンネルを変えずに見てくれますからね。
【不動産屋さんのCMってつまらなくないですか?】
動画サイト全盛の時代でもトメ先生はテレビっ子です。
最近のテレビCM…いいんです!面白いんです!
でも不動産業者のCM…つまらないんですよね~。
売れる見込みがなければ仕入れない
トメ先生の勤務先は建売住宅を主力商品としている会社です。
世の中の不動産価格同様に、トメ先生の勤務先も価格は上昇傾向です。
でも、よく考えてみてください。
建売住宅を販売する会社は、地主さんから土地を仕入れて自分のところで建物をセットにする。
そのセット価格が地域の相場と見合っていて、売れる見込みがあるから商品にするのです。
関東の地方都市で、土地と建物をセットにして1億円するような建売住宅が売れると思いますか?
売れませんよね。
売れないから、そんな商品づくりはしません。
そうです、価格が1億円になってしまうような土地の仕入れはしないのです。
売れる見込みがある価格帯で商品をつくる
売れる見込みのある価格帯ってのはどういう価格帯なのか。
購入する方の月々の住宅ローンの返済額で考えてみましょう。
決して返済がラクな価格ではないけれどが、不可能ではない価格帯ということではないでしょうか。
建売住宅の場合は、売主となる不動産屋さんに土地の負担がかかるため、土地と建物でセットにした価格から逆算して「仕入れる」か「仕入れない」かを決定します。
注文住宅は?
そうなると、注文住宅はどうなのか…。
注文住宅の場合、土地の準備はお客様の負担ですからね。
理屈では、土地は選び放題、建物は好きな設備を付け放題です。
価格のことを考えると恐ろしくなりますが、注文住宅も売れていないわけではないし…。
注文住宅の問題は、後日あらためてお伝えしたいと思います。
このように考えてみると、建売住宅の価格って合理的なんですね。
あらためて気づかされました。
【事前準備に合わせて読みたい!】
トメ先生が営業マン時代にお客様にお話ししていた内容をまとめた解説です。
「物価」「金利」「景気」とおみくじの関係とは…?
【建売住宅の土地の価格は?建物の価格は?】
「建売住宅の建物価格は?」って質問は「この自動車のフロントガラスの価格は?」って質問しているようなナンセンスな質問なのです。
建売住宅の価格構成の考え方を学べる解説です。