【不動産業界】新卒研修で「写真でひとこと」をやってみた

トメ先生は今年も新卒研修担当者【12年連続】

ついこの間まであんなに寒かったのに、今年もきちんと4月がやってきました。
そんな中、トメ先生は今年も勤務先の新卒研修担当になりました。

先日迎えた研修初日の様子をお伝えします。
不動産業界の仕事に興味がある方や、興味があるけれど一歩踏み出すのを迷っている方。
「営業の仕事をするのにどんな準備をしたらいいの?」という方に、

「こんな考え方をしたらいいですよ」のガイドになれたら幸いです。


先日、トメ先生が最初に取り上げた講義は「写真でひとこと」です。
まだまだ新卒君たちはみんな緊張気味なので、ワイワイガヤガヤのグループワークの時間を多めに取る作戦。

みなさんご存じの「写真でひとこと」はトメ先生も大好きな大喜利のひとつ。
そんな「写真でひとこと」が営業の仕事と関係あるのか?

あります!あるんです!

どの業界の営業さんにも言えると思いますが、営業さんはお客様が表面に出す情報だけではなく、お客様が話している内容の行間を感じられるアンテナが立っていると仕事がスムーズです。
難しい言葉を使うと機微が感じられる対応がお客様の満足度につながります。

でも、新卒君たちはまだまだ経験がありませんから、機微を感じる訓練の第一歩として「写真でひとこと」を取り上げてみたのです。

アイスブレイクは本家の写真でひとこと

新卒君同士は昨年から内定者研修で顔を合わせているそうで、メンバーの名前やお顔も把握できているということでした。
研修担当が現れるたびに自己紹介をさせられるのもダルいだろうと思ったので、新卒君たちの自己紹介はカット。

トメ先生の自己紹介だけして「写真でひとこと」をはじめました。


本題は「家族の写真でひとこと」ですが、若い新卒君たちにはアイスブレイクが重要です。
場の空気をやわらげるためにトメ先生がオープニングに取り上げたのは写真で一言専門サイト「bokete」です。

「bokete」をご存じない方のために説明しておくと、「bokete」はお題となる写真や画像に世の中の大喜利好きのみなさんが回答を投稿するサイトです。
「bokete」で名作となっている面白作品の回答の部分を隠しておいて、みんなに大喜利の答えをグループワークで話し合ってもらう。

「はい~答えはこちら~」なんて感じに隠しておいた回答をオープンしてみんなで大笑い。
10問くらいのお題を出すとずいぶんと場の空気が和みました。

アイスブレイクは無事完了。

お題の写真は「様々な家族」

「今年の新卒君たちも「新卒の気持ちをわかってくれている研修担当でよかった」なんて思ってくれていたらうれしい。」という期待を胸に秘めて本題に。

「様々な家族の写真」から感じることをグループワークで考察する研修のスタートです。
あらかじめ、インターネット上の画像から「3人家族」「4人家族」「5人家族」などの、様々な家族の写真をパワーポイントにまとめたものを順番にディスプレイに表示します。

「3人家族」となるとパパまたはママとお子さんが2人の写真、またはパパとママそしてお子さんが1人の写真が現れます。
トメ先生が「このご家族、どんな関係の3人家族だと思う?」と質問を投げかけます。

質問に対してグループワークで自由に考察してもらいます。

「はたらくママが一人でマイホームを買う」

「写真にはパパしか写っていないけれど、近々結婚予定の女性がいる」

「子供たちは、写真に写っているママとは血のつながりはなくこの写真はパパが撮影している」

「実はウチの親も離婚していて、私もこの写真と同じ家族構成なんだけど…」

いいですね!

正解はないですからね。
お客様とお会いして何を感じることができるか。
さらなる自己紹介に繋がったりして、ワイワイガヤガヤも理想通りで盛り上がってくれています。

「4人家族」は新卒君たちのご家族構成とも似ているので想像しやすかったようです。

中には「今は4人家族だけれど、ママのおなかには実は3人目のお子さんがいて」などとストーリー性のある発言があったり、なかなかイマジネーション力が豊富な新卒君たちです。

そしてトメ先生の出番です

新卒君たちがワイワイガヤガヤ、ステキな雰囲気でグループワークを展開。
「5人家族」まで意見交換が終了。

このまま終わってしまっては研修の目的は半分くらいしか達成できません。
このあとはトメ先生の出番で、新卒君への質問タイムです。

「このご家族、パパは働いている?」

「このご家族、乗っている車は?」

「おねぇちゃんの好きな食べ物は?」

「弟君の幼稚園のクラス名は何組?」

と想像力をさらに発揮してもらうための質問を投じました。
これはペルソナ構築の練習です。

今後、新卒君たちはインターネットに物件情報を掲載したり、チラシを作ったり、販売会などのイベントを企画したりします。
その時にインターネットやチラシを目にするお客様や、イベントに来場するお客様を想定して企画を練らなければなりません。

そこで役に立つのがペルソナ設定。

ペルソナ…といってもゲームじゃありませんよ。
ペルソナってのは、取り扱う商品やサービスを実際に利用するお客様像のことです。


今回の家族がテーマの話なら、分譲地に来場するのは何人家族か?

仕事は?

共働き?

お子さんの年齢は?

休日の家族の楽しみ方は?

パパの服はどこで買う?

ママの服はどこで買う?

ご家族の趣味は?

などなど、様々な項目を具体的にイメージしてお客様像を作り上げる。
ここで作り上げたお客様に向けて広告の内容を決めたり、イベントの内容を考えたり、設計スタッフならペルソナをもとに間取りを考えたりするのです。

誰にでもあてはまるような、いわゆる「万人受け」する広告ではなかなかお客様の深いところまで刺さらないからです。
たとえば「共働きでパパもママも衣類はユニクロなどのファストファッションで購入する」というペルソナが構築できれば、「共働き」「衣類はファストファッションで購入」のお客様をイメージして情報発信する。

しかし、ターゲットを絞ったことで「パパが一馬力」で頑張っているご家族、「衣類はメーカー直営の店舗で購入」のお客様にはウケない情報発信になる可能性が出てきます。

しかし「共働き」のご家族にも、「パパが一馬力」で頑張るご家族にもウケる情報発信となると、中途半端な情報になってしまって、結局どちらにもウケない情報となってしまいがちなのです。

新卒君たちも最初こそ戸惑っていたものの、正解がある質問ではないことを理解したとたんアグレッシブにペルソナ構築の訓練を楽しんでくれていました。

なにを見聞きしてもなにかを感じられる感性

人生で一番高額な買い物となる不動産を取り扱う営業さんは、お客様の表面上で確認できる情報だけではなく、その内側にある情報に気づけると成長が早いと思います。

「人が考えていることを察するの苦手なんだよな~」

「空気読めないとか、よく指摘されるし」

営業経験のない方にはそんな方もいると思います。
でも、意識することでお相手が考えていることに気づけるようになったり、空気も読めるようになるから大丈夫。

おまけにたいして頑張る必要もない訓練でスキルアップできるので興味がある方は始めてみたらいいと思います。
どんな訓練か、それは「目にするもの、耳にするものに何かを感じる訓練」です。

たとえば道路の脇に立っている街路樹を見て。
「地上には枝葉が生い茂っているけれど、土の中でも同じくらいの規模で根が張っているんだよな~すげ~よな~」とか。

町中を速足で歩く人を見て「あの人はなんであんなに速足で歩いているのか」とか、
ゆっくり歩く人を見て「あの人がゆっくり歩く理由」とか。


真冬の夜空の真ん中で姿が見られるオリオン座。
暖かくなってくると、同じ時間でもいつもより西の空に見えますよね。
そういうことを感じるとか。

なんというか手元のスマホの中に向けている意識を、頭を上げて正面を向いた世界に何かを感じる練習をする。
とくに就職活動をする学生さんなんて、そういう感じ方ができると明らかに他の学生さんとは違いがみられるので採用担当者の意識にも残りますしね。

ふだんほとんどイメージしたことがないことをイメージしてみることで、お相手に興味をもつことができるようになります。
お客様が不動産の購入を決断する場合、お客様は数えきれないほどの要素を内面で検討して決断します。

時には、営業さんがお客様の内面で複雑に絡み合った要素を整理してあげることも必要なのです。
だから「日頃から周囲に興味を持つトレーニングはじめてみてはいかが」という話でした。

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