
ダラダラと25年も不動産業界で働くトメ先生。
ただ、この25年も役に立つことはあるようです。
先日、賃貸に住んでいてマイホームを検討中という方から相談を受けました。
数年前と比べたら「これはお買い得!」って思える物件には出会わなくなっていて、
あっちの物件も、こっちの物件も高い物件ばかりになっているという話から相談がはじまりました。
あの時、買っていたらって思うけれど、
あの時はあの時で高いなぁって思って見送ったんですって。
そして、さらに物件価格が高くなっているのに、住宅ローンの金利まで高くなる。
「マイホームはあきらめるべきですかね?」
「買うなら、今買わないと損しますかね?」
そんな質問にアドバイスをさせていただきました。
このように考える方、きっと多いですよね?
そこで、今日はトメ先生が考え方を整理するお手伝いをします。
返済額<家賃なら持ち家、返済額>家賃なら賃貸

家賃と返済額を比較してみる方法
ダラダラ理屈を並べても仕方がないので結論から伝えますね。
住宅ローンの返済額と今の家賃を比較します。
その結果、安いほうを基準に「持ち家」か「賃貸」かを検討してみるのです。
住宅ローンの返済額が家賃より安ければ、持ち家を検討する。
その逆に、住宅ローンの返済額が家賃より高ければ、賃貸でという考え方です。
家賃は今も支払えている高額固定費
いつもの生活で支払っているお金。
中でも、家賃は高額ランキングの1位になるご家庭が多いと思います。
その家賃を、今のところ毎月順調に支払い続けることができている、
だったら、家賃と同じくらいの住宅ローンの返済であれば、
マイホーム購入後の生活をシミュレーションしやすいのではないでしょうか。
という理由で、トメ先生は今の家賃と住宅ローンの返済額の比較を提案します。
きっと、ファイナンシャルプランナーさんに相談したら、
家賃以外に毎月かかるコストを棚して…ってながれになるでしょう。
たしかに、それが一番正確で、一番正しい方法です。
でも、ざっくりと方向性を示すだけなら家賃と比較でいいんじゃないですか?
今、支払うことができているなら、
この先も同程度の支払いはできるのではないかというのがトメ先生の考えです。
自動車ローンや携帯電話の通話料は…?
毎月支払っている家賃以外の項目は考えなくていいの?
自動車なら長くても5年くらいの支払い。
携帯電話の通話料だって、住宅ローンの返済額と比較したら、そんなに高額にならないと思います。
だから、ざっくりでいいのなら今回は家賃だけで考えましょう。
通信回線の費用みなおしを考えている方は以下のサイトで詳細を確認してみてください
フラット35でシミュレーションするのがポイント

さきほどの住宅ローンの返済額はフラット35の金利でシミュレーションしてくださいね。
これ、とても重要なことです。
トメ先生の家に届く新聞でも連日金利上昇の記事が掲載されています。
長期の金利が上がると、こんな感じで住宅ローンの金利にも影響があるようです。
長期金利が上がる
↓
住宅ローンの【長期固定】の金利が上がる(フラット35・30年固定型・35年固定型など)
↓
住宅ローンの【中期固定】の金利が上がる(10年固定型・20年固定型など)
↓
住宅ローンの【短期固定】の金利が上がる(3年固定型・5年固定型など)
↓
住宅ローンの【変動金利】が上がる
今はもう変動金利でシミュレーションしないほうがいい

これまでは住宅ローンのシミュレーションといったら、金利が一番低い変動金利でOKでした。
でも今はもうダメです!
今はフラット35の金利でシミュレーションしましょう。
だって、一番低い変動金利でシミュレーションなんてしてしまったら…。
今週より来週のほうが金利が高くなり、
今月より来月のほうが金利が高くなるのだから、
今のシミュレーションがあてにならなくなってしまうのです。
だから、今のような状況では金利高めの長期の固定金利でシミュレーションしましょう。
ところが銀行で取り扱っている長期固定の金利となると、かなり高金利なので現実的ではありません。
そこで、ここは借りた後は金利上昇の心配なし!でおなじみの
フラット35でシミュレーションをおススメします。
100万円あたり3,364円とおぼえましょう

2025年12月のフラット35の金利は2.080%です。
実際にフラットを使う時は金利優遇等が受けられますが、
ここは保守的に優遇前のまっさらな2.080%で見積もっておきます。
2.080%だと細かいので2.10%で考えることにします。
100万円を金利2.10%で35年返済で借りた場合、
1ヶ月の返済額は「3,364円」です。
ややこしいので表にします。
| 借入額 | 100万円 |
| 金利 | 2.10% |
| 借入期間 | 35年間 |
これでもややこしい…。
とにかく100万円で毎月の返済額は3,364円とおぼえてください。
借入額で返済額を計算します
100万円で毎月3,364円ということは、
1,000万円なら100万円の10倍なので毎月33,640円になります。
1,500万円なら15倍で毎月50,460円です。
このように1,000万円や1,500万円のところに、
実際の借入額を入れたら毎月の返済額が計算できます。
計算式にするとこうなります。
借入額 ÷ 100万円 × 3,364円 = 毎月の返済額です。

3,000万円なら100,920円。
4,000万円なら134,560円。
5,000万円なら168,200円です。
購入時の諸費用はどうすればいい?
これもざっくりいきましょう。
物件価格の10%くらいが諸費用です。
諸費用も借り入れることになりそうなら、
物件価格×110%を借入額にしてみましょう。
住宅ローンの返済額と家賃を比較

シミュレーションしてみましたか?
月々の返済額はいくらになりましたか?
家賃のほうが高い場合
みなさんは、その家賃を毎月支払うことができています。
だから、家賃と同水準または家賃より安い住宅ローンなら、
返済することができると思うのです。
だから、持ち家を視野に入れてみてもいいのではないでしょうか。
住宅ローンの返済額のほうが高い場合
みなさんは、住宅ローンの返済がはじまると、
その支払いが生活の中で支払う固定費ランキングで、
初登場第1位となると思います。
経験したことのない支払い。
だからこそ迷うと思います。
でも、決して持ち家が購入できないということではありません。
余談ですが、トメ先生も家賃より返済額のほうが高くなった派です。
もう、18年前の話ですけれど、なんとかここまでできています。
賃貸も正解…持ち家も正解…

このようにまとめてみてトメ先生は気づいたことがあります。
今、住まいについての判断は「賃貸も正解」だし「持ち家も正解」ということです。
ひとり暮らしで「賃貸か?持ち家か?」と迷った方のケースについて、
こちらの記事で、家賃と住宅ローンを天秤にかけた考え方を詳しく整理しています。
ひとり暮らしの引越し先は賃貸か?持ち家か?で迷った時の解決策
ご家族の価値観とライフスタイルで選んでいい時代になったのだと思います。
今までは金利が低かったから、
住宅ローンの返済額も家賃もあまり変わらなかった。
それどころか、住宅ローンの返済額のほうが家賃よりも安かったり…。
身をもって知った、世界中に猛威を振るった感染症の影響。
ニュースだけ見ていたら対岸の火事だった世界情勢の変化。
でも、感染症からはじまった流通の鈍化が、
戦争の影響でさらに滞りました。
流通しない品物の価値が高まり、
それは物価上昇というカタチになって私達の生活に降り注ぎます。
池上彰先生の解説みたくなってしまったので、
いつもの調子に戻しましょう。
とにかく、様々な要因で物価が上がり、
物価上昇を抑えるために金利が上がりはじめています。
でも、長いあいだ言われ続けていましたよね。
いつかは物価が上がる。
いつかは金利が上がるって。
そのいつかが…
そのうちが…
やってきました。
賃貸も正解、持ち家も正解、みなさんのライフスタイルを選びましょうね。
しっかり住宅ローンのシミュレーションするなら以下のリンクも活用してみてください。