不動産業界に就職するなら規模の小さな会社がおススメな3つのポイント

スタートにおススメなのは規模が小さな不動産会社

世の中には大手の不動産会社、中堅の不動産会社、街中の小規模な不動産会社とたくさんあります。


不動産業界に就職を検討しているけれど「いったい、どんな規模の会社に就職すればいいの?」とお考えの方もいらっしゃると思います。

おつかれさまですトメ先生です。
トメ先生は不動産業界に身を置いて24年目に突入しました。

トメ先生は不動産業界で仕事をするのに、どのような考えで働くによって会社の規模は異なると考えます。
サラリーマンとしてのスタイルを望んで働くなら大手の不動産会社。
不動産業界のノウハウを短期間で身につけるなら、あまり規模が大きくない不動産会社。

これがトメ先生の考え方です。

組織に所属する感覚をあじわいたいなら規模の大きな会社…ノウハウをマスターして将来独立開業したいなら規模の小さな会社


今回は、業界のノウハウを身に付けたいという方に向けて、
不動産業界の仕事を覚えるなら、あまり規模の大きくない街中の不動産屋さんに就職すべきなポイントを3つお伝えしていきます。

トメ先生の勤務先は今でこそ中堅くらいの規模ですが、トメ先生が入社した頃は街中の不動産屋さん規模でした。


まぁ、大手の不動産会社の内容は詳しく知らないのでお伝えできないのですが、街中の不動産屋さん規模の会社でトメ先生が身に付けたノウハウや経験は、20年以上経過した今でもたいへん役に立っています。

かたや、今や中堅規模となったトメ先生のの勤務先に新しく入社した方たちは、経験できることが違うのです。
そんな視点からトメ先生の考えをまとめました。

そもそもなんで業界のノウハウが必要なの?

不動産は私達一般庶民にとっては人生で一番高額となる買い物です。


そして漢字で表す通り、動かない動産。


不動産は世界にひとつしか存在しない財産なのです。

不動産売買の数をこなすとお給料もそれなりにもらえるようになりますが、数に比例してトラブルにもめぐり逢います。
そこは、世界にひとつしかない不動産ですから、トラブルも物件固有のものが多いです。

そのため、仕事をはじめてからしばらくの間に発生するトラブルは、どれもはじめて経験するトラブルばかり。


発生してしまったトラブルは、たいてい物件固有の問題。

だから、今回取引きした物件に発生したトラブルは、今回の物件固有の問題なので前回の経験が活かせるようで活かせない、毎回初めての処理となることが多いのです。

いろいろな経験で解決力をマスター


不動産業界で数年がんばるとトラブルも一巡するので、トラブルが発生してもこれまでの経験を活かすことができます。
こうなると、トラブル解決までの時間も短縮できるようになるのです。

なんといっても、不動産営業は契約してなんぼの仕事。
契約に向けた商談の時間をトラブル解決に使うのはよろしいことではありません。

また、トラブル対応は誰でもイヤなものでモチベーションの低下につながることがあります。


不動産業界の営業として仕事を続けるためには、トラブルを短時間で効率よく解決することができるためのノウハウが必要なのです。
あわせて、目の前で起きる様々なことに慣れてモチベーションを低下させない精神力を身に付けることが必要なのです。

そのためには規模の大きな不動産会社だけではなく、規模の小さめの不動産会社で不動産取引についてのあらゆることを経験するのもアリだと思うのです。
規模の小さめな不動産会社がおススメな理由を3つ解説します。

理由その①仕事を自分でこなすから仕事を覚えられる

トメ先生の勤務先は建売住宅を主力商品として取り扱っています。


分譲地の仕入れから、造成、建物の設計、施工管理、販売、アフターサービスなどを社内の専門部署が対応します。

勤務先のパンフレットでは社内一貫体制だなんて掲載されていますが、このような組織では営業となると「販売」が仕事なので「販売」以外の業務には従事しません。
ということは、組織としてみてみると各工程を対応する専門部署間で、業務のバトンタッチがうまくいけばとても効率よく仕事が回る体制です。

でも、営業個人はどうかというと「販売」の仕事しかしないので「販売の仕事だけ覚えればいい」となります。

例えばある場所に土地があるとします。
この土地を販売するためには、様々な視点から調査が必要です。

専門部署がないので調査も自分で行います

大きな会社の営業は販売するのが仕事

法務局に行って登記情報を確認。

現地に行って物件のサイズを測る。

市役所の各フロアをまわって法令上の制限を確認する。

水道局をまわって水道管の状況を確認する。

教育委員会をまわって地中の文化財チェックはいらないか確認する。

自治会長をまわってゴミ置き場を使わせてもらえるか確認する。

近隣をまわって嫌悪施設や事件、事故の情報を確認し…などなど。

安全な取引ができるように細かい調査をします。

このような調査も規模が大きな組織では、仕入の部門や開発の部門のスタッフが調査します。
ということは、営業が調査することはないということ。
なぜなら、営業は「販売」が仕事だからです。

小規模の会社の営業はなんでもこなす

かたや小規模な不動産会社では、仕事の各工程に割り振るほどスタッフはいませんから、物件調査も営業が行います。

だから、物件調査のノウハウはもちろん、不動産取引で注意しておいたほうがいいポイントなどが短期間で身に付きます。

物件調査だけではありません。

造成や設計が必要な場合は社外の協力会社にお願いするのでしょうから、造成会社や設計事務所とつながりが持てます。

契約書類を作成するのだって、規模に余裕がある組織では専門部署が対応しますが、小規模な不動産業者では営業が自分で作成することが多いでしょう。

引渡しまでに必要な登記の手続きや住宅ローンの手続きも営業が対応します。

こうなると、契約が重なったりした時にはとても忙しくなるのが大変な点です。
でも、不動産取引のすべてを経験できるので取引の知識やノウハウが短期間でマスターできるのがメリットです。

理由その②不動産業は情報産業でおつきあいがマジ重要

不動産を探しているお客様から問い合わせがあっても、お客様にマッチした物件を取り扱っていなければ成約につながりません。
お客様はひとつの不動産会社だけに問い合わせているとは限りませんから、他の不動産会社に負けない情報が必要です。

しかし、世の中にあるすべての不動産をひとつの不動産会社で取り扱うことは不可能です。
自社で売主さんから売却依頼を受けた物件だけでは、たいした情報量になりませんし…。

そこで不動産業界ってのは横のつながりを重視するのです。

不動産業者さん同士で情報を共有し合う慣習があります。

自社で売却依頼を受けている物件だけでは情報量が少ないので、地域の不動産屋さんにお願いして物件を紹介してもらって、インターネットやチラシに掲載させてもらいます。
代わりと言ってはなんですが、自社で依頼を受けていている物件の情報を提供したり…。

トメ先生も営業時代はこのような環境で仕事をしていましたので、不動産屋さんのヨコの繋がりを強化すべく、平日の昼間はたいていどこかの不動産屋さんで油を売っていました。

そのうち、不動産屋さん同士の懇親会という名の飲み会に呼ばれるようになり、ゴルフに誘われるようになり、中にはご家族の結婚式に呼んでいただけるようなお付き合いになったりする業者さんもあったりします。

不動産営業はネットワークの構築がたのしい

トメ先生のようなサラリーマン営業は毎月ノルマに追われているので、成績でおしりに火が付いている時にいただけるアドバイスや励ましが心強かったり。

困った時にはお互い様の持ちつ持たれつのお付き合いになりました。

今でも、勤務先の仕入れ部門の方が不動産業者さんをまわると、トメ先生の近況を聞かれたりするそうです。

大きな規模の組織では、不動産屋さん同士のつきあいは仕入を担当する部署が対応します。
そのため、営業さんは不動産屋さんまわりはほとんど行わないでしょう。

家を売るための仕事は覚えられるけれど、不動産業者としてのキホンは経験しない可能性があります。

理由その③お客様からの問合せのありがたみがわかる

住宅購入を検討しているお客様は不動産情報の入手が重要です。
お客様の不動産情報入手のツールはインターネットが中心。

世の中にはSUUMOやHOME’Sをはじめ、あらゆる種類の不動産情報サイトがあります。
そして、どの不動産会社も自社のホームページに情報を掲載します。

規模が大きな会社では予算に余裕があるので、あちらのサイト、こちらのサイトとたくさんの情報媒体に物件情報を掲載できます。
また、会社の知名度でお客様が自ら来店することも頻繁です。

反面、規模が小さな不動産会社では物件情報を掲載するための予算に限りがありますし、大きな会社のような知名度はないのでお客様が来店するのもたまにです。


しかし、規模が小さな不動産会社でも「お客様から売却依頼された物件を販売する」「購入希望のお客様に物件を販売する」という使命は大きな会社と変わりません。

営業さんは会社の輪転機と呼ばれる印刷機でチラシを大量に印刷して、昼夜を問わずポスティングしたり、玄関のチャイムを「ピンポーン」と鳴らして訪問販売をしてみたります。
それでも問い合わせがない物件は、まったく問い合わせがない。

会社の規模は違っても営業の使命はかわりません


ポスティングをがんばって3万枚配布。

ようやく問い合わせがあった時には涙が出てきます。

そりゃぁもう、問い合わせいただいたお客様に失礼がないように対応します。

かたや、規模が大きな会社ではお問い合わせの件数がそれなりにありますから、反応の悪いお客様は「放出客」として誰も対応しないお客様リストに入れたりします。

「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」という言葉があります。

たとえば、規模の大きな会社は鉄砲に込める弾が簡単に手に入るので、鉄砲の腕だけはどんどん上がる。

かたや、鉄砲に込める弾が少ない小さな規模の会社では、一発の弾をなんとか結果に繋げようと努力する。


鉄砲の手入れの方法や、製造工程、弾の材質などあらゆる知識が身に付きます。

その結果、しっかりと鉄砲の腕があがるのです。

将来、独立を考えるならば規模の小さな会社でスタート

ここまで、規模の大きな会社は「サラリーマン営業として勤務をしたい方」向け。

そして規模の小さな会社は「不動産取引のノウハウを覚えたい方向け」だとお伝えしました。


では、覚えた不動産取引のノウハウをどのように活かすのか。

ひとつは「独立開業」です。
将来自分で不動産会社をはじめる時に覚えたノウハウが活かせるわけです。

これまで、組織で仕事をしてきて「もっとこうだったらいいのに」「この方法のほうが効率よさそう」「こんなことを試してみよう」などと思うことがたくさんあると思うのです。
それらを実際にカタチにできるのが「独立開業」です。

私のまわりでも、規模の大きな不動産会社からの「独立開業」ではなくて、規模の小さな不動産会社から「独立開業」した方のほうがうまくいっているような気がします。

この先、どんな世の中になるかわからないから「独立開業」には足を踏み出せない、そんな考えの方もいると思います。

規模の小さな不動産会社で、あれもこれも経験したノウハウはどこに行っても活かすことができます。

引き続き不動産業界で活躍できますし、規模の大きな不動産会社にチャレンジも可能。

金融機関やJAなどでも活躍の場がありますし、外食チェーン店が出店する際の用地探しのスタッフを募集していたり。

私もこのような解説記事を書けるのは、あの頃、なんでもかんでも対応した賜物。
一朝一夕にマスターするのが難しい不動産取引のノウハウは活かす場面がたくさんあります。

住宅業界は人手不足が顕著

昨今の住宅業界は慢性的な人手不足。
トメ先生の勤務先が事業を展開するエリアは国内でも有数の建売住宅の激戦区。

年間数百棟から数千棟規模の建売住宅を販売する事業者が複数あります。
人手不足についてもご多分に漏れず顕著です。建てた建売住宅を販売してくれる営業さんが足りないのです。

このような状況ですから「営業やってみたい」って方はウェルカムな就職市場になっています。
トメ先生の勤務先でも「今は働きたい方は誰でも採用」的な雰囲気があります。

とにかく人手不足。
まずは雇ってみてモノになるかならないかを判断する。


どの会社もそのような状況ではないでしょうか。

不動産営業、住宅営業は人手不足が県所です


日本はこの先、少子高齢化が顕著で若い方の人口は増えません。
営業さんが不足している状況も少子高齢化の表れだと思うのです。

だから、この先はずっと「営業やってみたい」という方は就職がスムーズな状況が続くはず。
まずは規模の小さな会社で仕事を覚えてみる。
その後、規模の大きな会社にスキルアップ転職というキャリアプランもアリだと思います。

トメ先生が王様になったら…

ここまでお伝えしたとおり、住宅営業とか不動産営業という仕事は本当にいろいろなことを経験します。

その分、大変な状況を乗り越えた時の達成感がうれしい。
マイホームなんて持てないと思っていた奥様が、お引渡しの時にトメ先生の手を握りながら「ありがとねぇ、ほんとうにありがとねぇ」と泣きながら感謝されたりすると、こちらまで泣いてしまうような…。

ドラマチックな仕事ができるのが不動産営業という仕事だと思います。

そしてなんといっても、人間性を高めてくれる仕事です。
これはトメ先生自身が自分で実感しているし、毎年対応する新卒社員の成長ぶりを見て感じることです。

私がある国の王様とかになれたら、私の国では「学校の先生」「警察官」「役所の職員」「医師」の仕事に就くには、最低3年間は住宅営業の経験がなければできない仕事にしたいですもん。

トメ先生が王様になったら…


「王様とか言い出してアホになったか…」と思われてしまいそうなのでこの位にしておきますが。

不動産営業…ラクではないけれど、素晴らしい仕事です。

今回は「はじめての住宅業界、不動産業界なら規模の小さな会社がおすすめ」な理由を解説してみました。
人手不足の不動産業界、営業職ならたいていの会社がウェルカム。
でも「どんな環境で働くのか?」も重要ですよね。

就職先を探すのに無料支援サービスを利用するのもおススメです。

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