住宅の欠陥は建売住宅でも注文住宅でも発生する
先日、お問い合わせをいただいたお客様が「建売住宅は欠陥住宅の心配があるわよね~」とおっしゃっていました。
建売住宅は完成した家を購入するから建築途中が確認できない。
だから、建築途中が確認できる注文住宅は安心で、建売住宅はあぶないぞ…ということですよね、きっと。
一見すると、注文住宅は建築途中を確認できるため安心感があると思われがちです。
でも注文住宅だって、四六時中現場を建築現場を監視すること現実的ではないわけで…。
仮に毎日お弁当持参で現場に張り付いていたとしても、行われている工事が正しいものなのか、ヤバいものなのか判断するのは難しいです。
結局のところ「建売住宅でも注文住宅でも欠陥への心配レベルに大きな差はない」というのが本日の解説内容です。
木造住宅は工業製品ではない
住宅は人間が作るものだから失敗がある。
トメ先生は不動産業界で25年も働いています。
購入したお客様から欠陥だと指摘されてたくさんのクレーム対応を経験しました。
毎回クレーム対応にビビっているトメ先生。
フォローしてくださる顧問弁護士の先生から「こんな考え方を頭に置いてお客様対応をしてみるといいですよ」と言われたアドバイスが印象的でした。
その内容は以下のとおりです。
- 木造住宅は現場で施工されるもの
- 施工内容は一棟一棟が異なる
木造住宅は工業製品ではないため品質は一定ではないということです。
自動車で例えてみましょう。
完成した自動車はどの製品も均一の燃費でなければならないし、安全性能も同じレベルでなければダメです。
しかし、木造住宅は工場で作られる製品ではない。
現場で人の手で施工するうえに、施工内容は建物ごとに異なる。
だから品質にはバラつきがあるものだと裁判などの判例で認められているというのです。
その結果、お客様が「不具合」や「欠陥」と主張するものがすべて売主の責任だと簡単には結論づけられない。
もちろん、木造住宅工事共通仕様書などの基準が公に存在しますが、ややこしくなるのでここでは触れません。
すべての新築住宅に第三者機関の検査
人の手で建築されて工業製品ではない住宅は品質にバラつき生じることもあります。
だから、現代のすべての新築住宅は瑕疵担保責任保険を提供する事業者による工事途中の検査が義務になっています。
義務なので、新築住宅を販売する会社は住宅瑕疵担保責任保険に加入しなければ、新築住宅を販売することはできません。
瑕疵担保責任保険を提供する保険事業者はムダな保険金は払いたくない。
いいかげんな建物に保険加入されては困ってしまいます。
そこで、いいかげんな工事がされていない建物であるか、建築工事の途中で何度か現場をチェックすることになっているのです。
建築会社さんや不動産業者さんとは関係のない第三者がチェックするというのがポイントです。
建築会社さんや不動産業者さんと仲良しの検査機関では信頼度の高い検査は期待できませんからね。
また、検査の内容は建売住宅も注文住宅も同じもの。
検査の基準にも差はありません。
【欠陥住宅なのに動いてくれない売主を1万円で動かす方法】
購入したみなさんを守る住宅瑕疵担保保険には、欠陥を修理してもらうほかにもこんな使い方が備わっていました!
それでも発生するのが欠陥
ここまで目を通してくださったみなさんは、建売住宅も注文住宅も欠陥が発生する心配レベルに差はないということを理解していただけたのではないでしょうか。
建築中に現場に張り付いているわけにいかないから、第三者機関の検査がある。
それでも発生してしまうのがミスであり欠陥です。
- 浴室の配水管が下水管に繋がっていなくて基礎に排水がたまっていた…。
- 階段は14段なのに大工さんが15段目を作りかけた…。
- 建物の向きを間違えて着工した…。
信じられないかもしれませんが、どれもトメ先生が経験したものです。
ちなみに、1と2は注文住宅、3は建売住宅で発生しました。
建売住宅だから欠陥が発生するのだろうか
ここまでお読みいただいて、建売住宅だから欠陥が発生するわけではないということをご理解いただけましたか?
世間的には建築中の現場を確認できるから安心なはずの、あの注文住宅でも欠陥は発生するのです。
もちろん建売住宅にだって欠陥は発生します。
建売住宅は後悔するぞ!系の解説にある欠陥の話は冷静に…ニュートラルな気持ちになって読むのをおススメします。
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