こだわった設備と不満な設備
先日、営業研修を受けていたら講師の先生からこんな質問が。
「住宅購入にあたって、いちばんこだわったところ第1位は?」
「住宅を購入してみて、いちばん不満なところ第1位は?」
住宅購入する前の方と、購入した方に答えていただいたアンケートだそうだ。
結果はどちらも「収納」。
購入前にこだわったはずなのに、住んでみたら不満を感じる。
まるで「抱かれたいタレント」と「抱かれたくないタレント」の双方でトップになる芸能人みたい。
どちらのカテゴリにも顔を出す芸能人のように、気になる人気者の収納。
これは人間のわがままなのか。
いや、そうならないためにできることがあったはず。
収納にキャパがあったらキャパの分だけモノが増える。
期待していた設備が不満な設備にならないように…。
片付かないのがすべて住宅のせいにならないように…。
こんな考え方はいかがだろう。
住宅を購入するのは今の生活の不満を解消するため
ご夫婦二人で住みはじめた頃は広かったアパートもお子様がうまれて荷物が増える。
かわいいお子様と暮らせるのは生活に癒しがあって幸せだけれど、
いかんせんモノが多すぎる。
ぜんぜん片付かない。
以前は家じゅうの収納を満タンにしたらなんとか片付いた。
その後、備え付けの収納では足らなくなり収納ボックスを購入して片づけた。
今や、それでも納まりきらなくて、しまうこともあきらめて出しっぱなし。
もう、数か月前からクローゼットも閉まらない状態。
荷物に比べて収納が少ないから片付かない。
だから住宅購入を検討する。
キレイに片付くのであれば今の住まいでもいいのか?
収納が必要だから住宅購入を考えるという方。
たくさん荷物があるけれど、キレイに片付くのであれば今の家でもいいのか。
今の状態で片付ける手段は、いらないモノを処分して荷物の量を減らすこと。
そう断捨離だ。
住宅を購入して引っ越しする時は断捨離レベルの片づけをしなければならない。
住宅購入の過程で「いつかは」やらなければならない断捨離。
だったら今日、今からやってみたらどうだろう。
まずはスーパーで要らない段ボールをもらってきて、
必要な物、いらない物、どちらの判断もできないものに分ける。
テレビでよくみるアレだ。
仮にうまく片付いたとしよう。
片付いてしまったら、住宅購入する理由がなくなるか?
それでも住宅購入を検討するのなら、購入理由の本質は別のところにあるということだ。
荷物は片付いたけれどマイホームを購入する理由。
子供が家の中を走り回る足音で、下の階のおじさんに怒られるから…。
小学校に入学すると学校区の関係で住宅探しのエリアが限定されてしまうのでその前に。
そうして出てきた理由から、
荷物の片づけと同じように、その問題が別の方法で解決できたら今のままでいいのか?
自分で自分に問いかけてみよう。
【物価が上がっているし…】賃貸でもいいんじゃない?
持ち家ばかりが家ではない!マイホームを購入した人が成功者ではない!
物価・金利を考えると賃貸だっていいと思います。
最後に行き着いた理由が住宅購入を考える本当の理由。
これは本当に重要。
これがはっきりしている人としていない人では住宅購入の充実度に違いが出る。
また理屈っぽくなってきたので話題をもとにもどそう。
収納の事前シミュレーションをしてみよう。
できることなら、新居に備えられた収納の3割から4割。
贅沢をいえば半分はマージンとして確保しておきたい。
このマージンも居住を開始して数年で満タンになる。
今の住まいに備え付けられた収納の量のほかに、どのくらいの収納があれば足りるのか把握しよう。
今の住まいに備え付けられた収納は、畳一枚分くらいの大きさだとしたら、畳何枚分の収納があればキレイに片付くかという感じで把握するといい。
注文住宅なら、設計段階で図面に必要な量の収納を反映してもらうこと。
建売住宅なら、建物を見学する時に実際の収納の量を確認しよう。
注文住宅は現物確認が難しいが、建売住宅ならば現物で確認が可能。
しかし、建売住宅で実際の収納の量を確認する作業となると、見学が数回にわたることになりそう。
いずれにしても、収納の量を確認して気づくことがあると思う
絶対に半分のマージン確保なんて無理!ということ。
今の状況がそれだけモノだらけということなのだ。
引越しは断捨離のチャンス
今あるモノを、新しい場所に移動する引越しは、所有しているモノの棚卸しができる。
そしていらないものを思い切って処分するチャンスだ。
さきほども触れたが段ボールを用意して、必要レベルで分けてみよう。
いっそのことこのままミニマリストになってしまってもいいかもしれない。
必要レベルで分けても処分できないモノが出てくる。
捨てようとしたら子供に己の身体からエクトプラズムでも発しそうな勢いで泣かれてしまい。
捨てるに捨てられないモノが出てくる。
この荷物をどうするか。
新居に持ち込むと、ただでさえ貴重な収納スペースを消費することになる。
そして、おそらくこの荷物は運びこんだ後、その場で長い期間を過ごすことになる。
実家に預けるのもアイデアのひとつ。
でも処分を前提に片づけるならば、おススメは貸し倉庫的なところへ預ける方法。
自宅に持ち込むにしても、実家に預けるにしてもお金がかからないから処分しなくなる。
だったら毎月利用料がかかる貸し倉庫なんてどうだろう。
けっこうな利用者がいるようで、今、リーズナブルな利用料の倉庫が増えている。
ここに預ける期間を決めて預けるのだ。
その期間が経過したら処分する。
その頃には子供が成長してエクトプラズムを出すほどそのモノに執着しなくなっている必要があるけれど…。
貸倉庫は使用料金がかかるのが難点。。
でも、いつまでも使用料金を支払い続けるのはもったいないと感じる分、確実に片づけられそう。
「そうか…貸倉庫、その手があったか」という方はこちらを検討してみてはどうだろう。
マイホーム購入は断捨離のチャンスであると同時にもうひとつチャンスがある。
それは家族で家事分担するチャンスだ。
今の住まいの大きさならママがひとりでもなんとか掃除することができる。
でも、新居の4LDKじゃママ一人ではキツイ。
きっとパパは決断する前にママに「どうだろう?」と聞いてくるだろうから、
「家を買ってもいいけれど、家事を分担する」を条件にするのだ。
ママに意見を聞くということは、パパは購入の意志があるのだ。
人生で一番高額な買い物のマイホーム。
価格も大きいけれど決断も大きい。
大きな決断に一人で責任を負うのはこわいので、
最終判断をママにまかせる風に意見を聞いてくる。
どのご夫婦にもみられる傾向。
我が家でも同じ。
我が家は住宅購入がきっかけになったわけではないが家事は分担制だ。
気づいたらこの家に夫婦で二人。
どちらかが食事を作らなければ食事が出てこない。
どちらかが掃除をしなければ家が片付かない。
どちらかが洗濯をしなければ明日着ていく服がない。
そんな考えに至ったがゆえの家事分担。
おかげさまで夫婦円満だ。
ここまで読んでいただいて、気になる物件の収納シミュレーションをしてみようと思った方もいるのではないだろうか。
収納で人生の一番高額な買い物のすべてを判断する必要はないが、収納が判断材料になることは間違いない。
おかげさまで不動産情報には物件詳細がたっぷり掲載されている。
建売住宅や中古住宅なら間違いなく間取りも掲載されている。
まずは間取りを見て…という気持ちになった方。
不動産ポータルサイトを活用してシミュレーションしてみてはいかがだろう。
私?
私はお風呂を掃除してきます。
誰かがやらなきゃ誰もやらないので…。